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高学歴youtuberはなぜ流行ったのか

自分が大学1年の時に、youtubeを頑張るという選択肢はまず考えなかった。

 

身の回りで聞いたことがあるとすれば、ko大学に合格してるのにテレビの動画をyoutubeに無断転載して稼いでるやつがいるとかいないとかくらいで、自分にとってyoutubeってそういう場所だったし、世間的に見てもそうだったろう。ちなみに私が大学1年だったのは2017年のことである。

 

ちょうどその頃が確かさんまの東大方程式が人気になっていた時期で、高学歴タレントみたいなジャンルが流行始めた時期だったと思う。

 

さんまの東大方程式が流行ってから数年、現在は高学歴教育系youtuberの全盛期である。

 

教育業界を破壊せんと言わんばかり大量の高学歴大学生が高校、大学の講義を”わかりやすく””丁寧に”youtube上で発信している。

 

なぜ、彼らは社会に受け入れられるのだろうか。それは彼らの活躍している場所がyoutubeという”見たい人だけ見ればいい”場所だからであり、youtubeというかなり成長している業界でビジネスを始めたからだろう。

 

さんまの東大方程式が出てくるまでは、高学歴タレントと言えば菊川怜とかロザン宇治原とかで、若い高学歴タレントなんてものは存在しなかった。たまに学生クイズ王みたいなのが開催されて、京大医学部の神童みたいな扱いで頭のいい学生が出てきてクイズをやるというのはあったけど、彼らはあくまで一般人でタレントではなかった。

 

それがタレント化できたのは彼らがyoutuberという手段を取った以外にも、いろいろな要素があると考えられる。

 

まず、単純に知識量。東大に現役で受かってるくらいなら割と数年前まで予備校でトップクラスの講師の授業を受けていたわけで、そのトップクラスの授業を再現できる率は高い。当時のノートなども残っているだろう。教える技術は予備校講師のほうに軍配が上がるが、高学歴youtuberもかなり高いレベルの授業を展開できるのも事実だ。

 

むしろ、編集やどうやったら映えるかなどは、デジタルネイティブである若い世代のほうがよくわかっていて有利だと思うので、総合値で見たら大学生のほうがyoutubeは得意かもしれない。

 

そしてもう一つは年齢だ。最近は彼らと同じように教育系youtuberとして参入する予備校講師などが増えているが、どうやっても”大学生の若さ”のほうが有利だ。大学生は時間も体力もある。

 

特に若年層からしてみたら、わかりやすくて年齢も近い大学生のほうをみたいと思う人は多いだろう。

 

ただ正直なところ、彼らが売れた要因の中で最も大事なのはyoutubeという環境を選んだことにある。やっぱ伸びてるところに飛び込むのが一番大事なんだろう。

思えば、大学生のできる仕事で稼げる仕事というのは、家庭教師か受託開発くらいだった。(もちろん世の中には他にもいろいろできることはある)

 

家庭教師は時給はいいが、所詮それまでだし、受託開発もプログラムの素養があってかつ学生をがっつりプロジェクトに入れてくれるようなところじゃないと下請けのようになってしまう(そんな会社があるのかわからないが)。

 

高学歴大学生というのは、昔から持て余されていた存在なのだ。人間社会全体で見た時に、脳みそも身体能力も全盛期なのに自由に放置されている(ことが多い)彼らは、社会の使える資源の無駄使いのように見えるだろう。

 

そんな大学生という生き物に、youtubeという仕組みがうまくはまったと感じる。

youtubeは儲かるけどやめる人が多い理由 - wonderland

この記事で書いた通り、youtubeは個人ないしは少人数でやるにはかなり強いビジネスで、企業が参入できる余地が少ない。まさに大学生が2人くらいで撮影企画編集をやるのにちょうどいいビジネスなのである。

 

2017年当時などyoutubeというのがまだまだ優秀な人間に見つかっておらず、ブルーオーシャンだった。

 

そこに有名大学に受かるくらいの頭のある人間が突っ込んだ結果生まれたのが、高学歴youtuberなのである。

 

これからの高学歴youtuberの未来

これからはもっと高学歴youtuberが増え、差別化が進むだろう。

美人の女子大生高学歴だったらまだ少ないので勝てるのではないかと思うが、今のまま同じやり方でやってもなかなかきつい。

 

高学歴youtuberは必ずしも勉強を教える必要はなくて、大学生という時間の中で勉強したいことを勉強してそれをゆっくり解説とかで動画にしていくのも儲かりそうなものだ。

 

正直なところ、ゆっくり解説などは社会人がやるのに向いてない。調べたり編集に時間がかかる。調べるのは仕事に役立つからまだしも編集がきつくてやってられないと思う。大学生は時間があるので、編集に時間を割くことは可能だし、ある程度収益化のめどが立ってきたら編集は外注すればいい。

 

そもそもの話、youtubeの動画投稿者自体に高学歴が少ない。10年代の本当の黎明期なんて大体アニメの違法視聴動画とかばかりで、アングラな感じが否めなかった。それが10年代後半になってだんだん、youtubeでもまともな動画があるよね、という感じになってきて、20年代に高学歴youtuberのような存在が登場してきたわけである。

 

だからこれからはどんどん頭のいい学生がさまざまなジャンルで動画投稿をして、いずれどの分野の動画も高水準のものが増えていくと予想する。